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一堪
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ひとたま
ふりがな文庫
“
一堪
(
ひとたま
)” の例文
「見ておいでなされ白井誠三郎、
一堪
(
ひとたま
)
りもなくやられますぜ」「全体あいつら生意気でござるよ。こっぴどい目に合わされるがよい」
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
恐ろしい腕前だ、あの棒が一当り当ったら、こちとらのなまくらはボロリと折れて、
腕節
(
うでっぷし
)
でも首の骨でも
一堪
(
ひとたま
)
りもあるもんじゃねえ
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
泥鉢は
一堪
(
ひとたま
)
りもなく
踏潰
(
ふみつぶ
)
された。あたかも甚平の魂のごとくに
挫
(
くじ
)
けて、真紅の雛芥子は処女の血のごとく、めらめらと
颯
(
さっ
)
と散る。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一堪
(
ひとたま
)
りもなく尻餅を突かせると、その眼の高さの空間を、歪み曲った四ツの
炭車
(
トロッコ
)
が繋がり合ったまま、魔法の箱のようにフワリフワリと一週して
斜坑
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
一酷老爺
(
いっこくおやじ
)
の七兵衛は、箒で
手暴
(
てあら
)
く突き
退
(
の
)
けると、酔っているお葉は
一堪
(
ひとたま
)
りもなく転んだ。だらしなく結んだ帯は
解
(
と
)
けかかって、掃き寄せた落葉の上に黒く長く引いた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
今の一言は、柳生の
家系
(
いえすじ
)
の者にはない事だ。未練な
愚痴
(
ぐち
)
。無知な嘆声。聞き苦しいたわ言である。そのような心根ゆえに、この老人の太刀にすら
一堪
(
ひとたま
)
りもなく打ち据えられるのじゃ。
柳生月影抄
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この挨拶には
流石
(
さすが
)
に堅気の家の少年は
一堪
(
ひとたま
)
りもなく
捻
(
ひね
)
られ、少し顔を
赭
(
あか
)
らめて
雛妓
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
忠作が
武者振
(
むしゃぶ
)
りつくのを
一堪
(
ひとたま
)
りもなく
蹴倒
(
けたお
)
す、蹴られて忠作は
悶絶
(
もんぜつ
)
する、大の男二人は
悠々
(
ゆうゆう
)
としてその葛籠を背負って裏手から姿を消す。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
屋根
(
やね
)
を
葺
(
ふ
)
いても、
板
(
いた
)
を
打
(
う
)
つても、
一雨
(
ひとあめ
)
強
(
つよ
)
くかゝつて、
水嵩
(
みづかさ
)
が
増
(
ま
)
すと、
一堪
(
ひとたま
)
りもなく
押流
(
おしなが
)
すさうで、いつも
然
(
さ
)
うしたあからさまな
體
(
てい
)
だと
云
(
い
)
ふ。——
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
が、とに
角
(
かく
)
大空を行くのだから、落つれば
一堪
(
ひとたま
)
りもなく、
粉微塵
(
こなみじん
)
に成ると覚悟して、風を切る黒き帆のやうな翼の下に成るがまゝに身をすくめた。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
目をつぶって暫く
堪
(
こら
)
えているところを、米友が下から顎を突き上げると、裸松が
一堪
(
ひとたま
)
りもなくまた後ろへひっくり返って、暫くは起きも上ることができません。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
こうして人間の面を
被
(
かぶ
)
っておればこそ、の、
私
(
わし
)
が顔を
暴露
(
むきだ
)
いたら、さて、
一堪
(
ひとたま
)
りものう、
髯
(
ひげ
)
が生えた
玩弄物
(
おもちゃ
)
に
化
(
な
)
ろうが。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
王侯貴人をも眼中に置かぬ米友が、お角さんのために、頭ごなしにやっつけられると、
一堪
(
ひとたま
)
りもなく縮み上って舌を吐くということが、これ大きな不思議であります。
大菩薩峠:30 畜生谷の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
一堪
(
ひとたま
)
りもなく、饂飩屋はのめり伏した。渋団扇で、頭を叩くと、ちょん
髷仮髪
(
まげかつら
)
が、がさがさと鳴る。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
力にした草の根が抜けると
一堪
(
ひとたま
)
りもなく
転々
(
ころころ
)
と下へ落ちました。
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
別にまた武者修行でも来れば
可
(
よ
)
し、さもなけりゃ私だって、お前たちにゃ一人にも
敵
(
かな
)
やしない。
一堪
(
ひとたま
)
りもなく谷底へ
投
(
なげ
)
られるんだ、なあ、おい、そんなもんじゃないか。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これに
一堪
(
ひとたま
)
りもなく気絶せり。猿の
変化
(
へんげ
)
ならんとありしと覚ゆ。山男の類なりや。
遠野の奇聞
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
執筆
(
しつぴつ
)
の
都合上
(
つがふじやう
)
、
赤坂
(
あかさか
)
の
某旅館
(
ぼうりよくわん
)
に
滯在
(
たいざい
)
した、
家
(
いへ
)
は
一堪
(
ひとたま
)
りもなく
潰
(
つぶ
)
れた。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
唯吉
(
たゞきち
)
は
一堪
(
ひとたま
)
りもなく
眞俯
(
まうつ
)
ぶせに
突俯
(
つゝぷ
)
した。……
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
堪
常用漢字
中学
部首:⼟
12画
“一”で始まる語句
一
一人
一寸
一言
一時
一昨日
一日
一度
一所
一瞥