郷介法師ごうすけほうし
初夏の夜は静かに明け放れた。 堺の豪商魚屋利右衛門家では、先ず小僧が眼を覚ました。眠い眼を渋々こすりながら店へ行って門の戸を明けた。朝靄蒼く立ちこめていて戸外は仄々と薄暗かったが、見れば一本の磔柱が気味の悪い十文字の形をして門の前に立ってい …
作品に特徴的な語句
きず しめ えま 瞬間しきり 何人どなた おろそ なく 周章あわただ 各自おのおの 寃罪むじつのつみ 結婚めあ とも さま 扮装みなり 乞食ものごい べつ おそ つもり なの わし 以前まえ わたくし わか 魚屋ととや ひっさ こぞ わし またが 全然すっかり 其奴そやつ 彼奴きゃつ 陥落おちい 周章あわて しわが 背後うしろ 老年としより はりつけ 膝行いざ むしろ 磨墨するすみ ほとばし 臣下けらい 貴郎あなた 跪座ひざまず もが 森然しん 遺児わすれがたみ 郷介ごうすけ 鏖殺おうさつ 長閑のどか かど さわ さっ 鮮血なまち 鸚鵡おうむ 黄昏たそがれ 吃驚びっくり 戸外そと 恐々こわごわ かたじ 後妾のちぞえ 彼奴あいつ 孤児みなしご 姓名なまえ かつ そむ 其方そち 元就もとなり 作者わたし 他人ひと 乙女おとめ ぬし 樓門さんもん 生月いけづき 生命いのち 狂人きちがい 無徳むとく まこと 永禄えいろく 気勢けはい かん 直家なおいえ 椎名しいな 両親ふたおや 松火たいまつ 杢介もくすけ 昨日きのう 昨夜ゆうべ 明日あす