“陥落”のいろいろな読み方と例文
旧字:陷落
読み方割合
かんらく61.9%
おちい9.5%
ロスト4.8%
4.8%
おち4.8%
おっこ4.8%
おと4.8%
おとしい4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
高遠陥落かんらくと聞いたときなど、こういうつぶやきすら洩らした程である。防戦上の誤算というよりは、人間としての未熟さを忌憚きたんなく出している。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
で、須々木方は戦う毎に勝ち、半年余り寄せ合った果、最所治部は戦没し、龍の口城は陥落おちいった。
郷介法師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
死んだ方が好い? 死んだら、妻や子はどうする? この念はもうかすかになって、反響を与えぬほどその心は神経的に陥落ロストしてしまった。
少女病 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
天文五年十一月、武田信虎八千を率い信濃海口城を襲ったが城の大将平賀源心よく防いで容易に陥落ちない。十二月となって大雪降り、駈け引きほとんど困難となった。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
(なるほど、これでは、食糧がなくなったくらいでは、なかなか陥落おちないわけ、石にかじりついても、この城はこの人々で守られよう……)
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
家内は取縋とりすがる妹の方をそこへ押除おしのけるようにした。「あ、房ちゃんが復たどぶ陥落おっこちた」と言って顔をしかめていると、お房は近所の娘に連れられながら、着物を泥だらけにして泣いてやって来た。
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
たつの刻よりはじまって、うまの刻まで戦いつづけたが、二十余人の多治見勢に、二千の六波羅勢は敵しかね、要害とてない館一つを、陥落おとしかねて持てあました。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しかし某の兵法をもってすれば陥落おとしいれることも容易である。一手は下野しもつけ日光山に立籠もることも肝要でござろう。華麗を極めた東照宮を焼き立てるのも一興じゃ
正雪の遺書 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)