“おち”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:オチ
語句割合
62.0%
7.8%
越智4.5%
3.9%
結局2.8%
1.1%
遠智1.1%
結論1.1%
越知1.1%
1.1%
1.1%
落札0.6%
0.6%
0.6%
下落0.6%
0.6%
堕落0.6%
0.6%
0.6%
斃死0.6%
0.6%
気絶0.6%
汚池0.6%
0.6%
焼曇0.6%
終了0.6%
脱漏0.6%
落所0.6%
虚構0.6%
退0.6%
遠方0.6%
陥落0.6%
0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
可笑をかしき可憐あはれなる事可怖おそろしき事種々しゆ/″\さま/″\ふでつくしがたし。やう/\東雲しのゝめころいたりて、水もおちたりとて諸人しよにん安堵あんどのおもひをなしぬ。
やがて疲労の恢復かいふくした後おのずから来るべき新しい戯れを予想し始めるので、いかなる深刻な事実も、一旦ねむりおちるや否や
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その頃、筑前志士の先輩に、越智おち彦四郎、武部小四郎、今村百八郎、宮崎車之助くるまのすけ、武井忍助なぞいう血気盛んな諸豪傑が居た。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
男子の保護を大事と機嫌気褄をとつてゐる女たちからは仇敵のやうに云はれ、乱脈におちてしまつたのであります。
男性に対する主張と要求 (新字旧仮名) / 伊藤野枝(著)
却って宿屋で酒を飲みおぼえたり女にからかったりする事を知り初める位が結局おちです。
旅行の今昔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
たとひきづななきことばをもちゐ、またしば/\かたるとも、此時わが見し血と傷とを誰かはおちなく陳べうべき 一—三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
遠智おちの岡ノ上に新たにおこされたミササギに、宝ノ太后おおきさきと、間人はしひと先后さきのきさきと大田ノ皇女ひめみこと、——この親子三代のなきがらを合はせ葬つた日は、夜来の雪が日ねもす野山をこめて降りしきり
春泥:『白鳳』第一部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
源次の宿元を確かめると、やはり今どこにいるか解らないというだけ、たぶん諸方の部屋を廻って勝負事に浮身をやつしているだろうというのが結論おちです。
隣村の越知おち今成いまなり河原で斬首に処したのであった。
長き反響こだまの、遙なるおち、奥深き暗き統一ひとつの夜のごと光明のごと
現代小説展望 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
○神去り玉ひしより廿八年の後延長八年六月二十六日、大雷清涼殿におちて藤原清貫きよつら(大納言)平稀世たひらのまれよ(右中弁)其外侍候じかうの人々雷火に即死そくしす、 延喜帝常寧殿じやうねいでんに渡御ありて雷火をさけたまふ。
……不作が眼に見えたつても、百五十兩下では落札おちんで、官も商賣上手やが、損知つてゝ高う入れる忠義もんが何んであないに多いやろ。
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
わしが受けた時分にや、六十兩でも高いちうたんやが、近年は二百兩下で落札おちたことがない。今年ら見い、かう早松が生えては、秋の松茸屹と不作やで。
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
とりなしもらひ又お專か村方の組合も出て與惣次共々とも/″\種々しゆ/″\命乞いのちごひ嘆願たんぐわんにおよびけれども何分其事かなはず其中に七日八日隙取ひまどりければ早傳吉はつみおちて昌次郎夫婦を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
つかはしたる喜八とやらんとられたるや又外に有事あることなるかと不審ふしんに思ひよくけば其人そのひとは全く彼の八に相違さうゐなく火付盜賊におちいり近々きん/\火罪ひあぶりとの事なりしかば田子たこ伊兵衞いへゑ思ふはとがなき者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ほろほろとおちなみだの中に、ハッキリとした葉子の離反が、鋭い熊手のように、胸の中を、隅々までも掻き廻し始めた。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
御家人株ごけにんかぶなんざ、売り手はくさる程があるが、先へゆく程、値は下落おちる様子だし、又、先の家がらや、娘があるなら娘も、出来るだけいい筋をと、殿様も、念を入れて探して下さるからこそ
(新字新仮名) / 吉川英治(著)
わたくしにつくりたるつちにてはいくつ打てもおちず。又かれがかしらに打べき所もありと漁夫ぎよふがいへり。
聖書辞典にると、「悪鬼とは、サタンに追従ついしょうして共に堕落おち霊物ものにして、人をうらみ之を汚さんとする心つよく、其数多し」とある。はなはだ、いやらしいものである。
(新字新仮名) / 太宰治(著)
處々にけ出でたる截石きりいしまさおちんとして僅に懸りたるさま、唯だ蔓草にのみ支へられたるかと疑はる。
「悧巧な鳥でも、殺生石にはおちるじゃないか。」
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
阿母おふくろが死んだあとで、段々馬場も寂れて、一斉いっときに二ひき斃死おちた馬を売って、自暴やけ酒を飲んだのが、もう飲仕舞で。米も買えなくなる、かゆも薄くなる。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なまじひ言合つてお互に心持を悪くするのがおちだから、……それは、お前、何と云つたつて親一人子一人の中だもの、阿父さんだつて心ぢやどんなにお前が便たよりだか知れやしないのだから
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「オオ、オオ、待って呉れウェイト・ミニッ‼」と、弱音をあげたが、うんと締める壮太の力に、苦もなくそこへ気絶おちてしまった。
危し‼ 潜水艦の秘密 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
汚池おちに釣り、禁池に釣り、はりさきを争ひて釣り、天候を知らずして海上に釣り、秋の夜露に打たれて船に釣り、夏の午日に射られて岡に釣り、早緒はやお朽ちたる櫓を執り
研堂釣規 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
それでふだんはおち着いて、眼をつぶってばかりいて、よっぽど大変な事のある時でなければ眼を開かないと申します。
アイヌ神謡集 (新字新仮名) / 作者不詳(著)
今此のお侍も本当に刀をるお方ですから、中身なかご工合ぐあいから焼曇おちの有り無しより、差表さしおもて差裏さしうら鋩尖ぼうしさき何やや吟味致しまするは、流石さすがにお旗下はたもとの殿様の事ゆえ、通常なみ/\の者とは違います。
したがって安兵衛には、何だかいっこうにわからないが、その場の出幕以外に、絶えて通しの筋趣向というものを、終了おちまでは誰人たれにも明かしたことのないいつもの文次親分を知っているから、安も
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
それより漂流中へうりうちういろ/\の艱難かんなんて、やうやこのしま漂着へうちやくしたまで有樣ありさま脱漏おちもなくかたると、ひとあるひおどろき、あるひたんじ、武村兵曹たけむらへいそう木像もくぞうのやうになつて、巨大おほきくして、いきをもかずいて
「これがこのれッらしのこしらえ上げた狂言の落所おちだったのか。馬鹿奴ばかめ、そう貴様の思わく通りにさせてたまるものか」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
吾々みたいな粗笨あらっぽい頭では、どこに虚構おちが在るか見当が附かないんだ。そこで止むを得ず受太刀うけだちにまわって、南鮮沿海の漁民五十万の死活に関する所以ゆえんを懇々と説明すると
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
潮の退おちた時は沼とも思はるゝ入江が高潮たかしほと月の光とでまるで樣子が變り、僕には平時いつも見慣れた泥臭い入江のやうな氣がしなかつた。
少年の悲哀 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
ここへ来るなり睡たさに、小犬のように垣の根に眠ってしまった乙若を揺り起して、三人の母はまた、まだ遠方おち此方こちに残る雪明りを頼りに、何処ともなく立去った。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(なるほど、これでは、食糧がなくなったくらいでは、なかなか陥落おちないわけ、石にかじりついても、この城はこの人々で守られよう……)
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これはかねて世界最大の噴火口の旧跡と聞いていたがなるほど、九重嶺の高原が急におちこんでいて数里にわたる絶壁がこの窪地の西をめぐっているのが眼下によく見える。
忘れえぬ人々 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)