“おっこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
68.8%
墜落6.3%
押焦6.3%
6.3%
陥没6.3%
陥落6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「やあ、太郎さんの独楽は溝の中へおっこちた。」とはやしましたから太郎は口惜しがって、泥に汚れたのを草の葉で拭きとって稍々やや力を入れて廻す。
百合の花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
お前の阿母さんが背後うしろから不意に突こうとするのを、若旦那が気がいて急にけたもんだから、阿母さんは自分で踉蹌よろけて墜落おっこちたんだよ。究竟つまり、お前の阿母さんの方が悪いんだよ。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
あやうくお杉ばばあに殺される所を、若旦那が早く気がいたんで、お杉の方が反対あべこべに穴の底へ墜落おっこちて死んだんですとさ。何でも人の話で聞くと、お杉婆の身体は粉微塵こなみじんになって居ましたとさ。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
つけて、小屋ぐるみ押焦おっこげたあだ。真夜中での、——そん時は、はい、お月様も赤かったよ。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
精もこんも吟味の練磨れんまに打ちこんで、こうも身を痩せさせているのは、しゃれや冗談でやっているのではありません。多寡がおっこちた鶴一羽。
顎十郎捕物帳:09 丹頂の鶴 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「人間に二通りある——一方の人はじりじり年をとる。他方かたいっぽの人は長い間若くていて急にドシンと陥没おっこちる」
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
家内は取縋とりすがる妹の方をそこへ押除おしのけるようにした。「あ、房ちゃんが復たどぶ陥落おっこちた」と言って顔をしかめていると、お房は近所の娘に連れられながら、着物を泥だらけにして泣いてやって来た。
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)