龍泉寺りゅうせんじ)” の例文
新字:竜泉寺
そして、龍泉寺りゅうせんじ川の南の岸へ出たとき、秀吉の大軍が、その北岸を、流れにそって、続々、下ってゆくのに追いついた。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
千束せんぞく町、清住町きよすみちょう龍泉寺りゅうせんじ町———あの辺一帯の溝の多い、淋しい街をしばらくさまよって見たが、交番の巡査も、通行人も、一向気が附かないようであった。
秘密 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
この話の舞台になっている天明のころの箕輪みのわは、龍泉寺りゅうせんじ村の北につづいた寂しい村であった。
箕輪心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
するとまた、その人数の大部分、およそ二千余騎の兵が、一様に城寨とりでから出払って、急に、東条、龍泉寺りゅうせんじ、赤坂の一帯が、人まばらになったのを見た朝のことである。
日本名婦伝:大楠公夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)