黄金沢こがねざわ)” の例文
かつてお松が、この下の黄金沢こがねざわの清水を瓢箪に満たして、欣々として帰って来たその間に、連れの老巡礼は見るも無惨な最期さいごを遂げていました。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
二人は少しあわて気味で、炭俵や糸革袋いとかわぶくろが結びつけられた背負梯子しょいばしごへ両手を突っ込んで、いま登り来るという武家の眼をのがれるもののように、やしろの裏路を黄金沢こがねざわの方へ切れてしまいます。