鶉坂うずらざか)” の例文
「ム、鶉坂うずらざかの老先生も似ているとおっしゃったが、まったく、瓜ふたつだ。……だが、形は似ていても、心ときたひにゃ、雪と炭だ」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鶉坂うずらざかの江漢先生は、愛縄堂あいじょうどうの縁に、ぼんやり腰をおろしていた。自分で呟いているとおり、ほんとに、少しどうかしている顔いろであった。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あなた様の仰っしゃる老先生というのは、鶉坂うずらざかはなわ様のことで? ——あの白いひげを胸に垂れた品格のよいご老人のことで」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)