ごまめ)” の例文
ごまめの目ほどの真珠を附けたる指環をだに、この幾歳いくとせ念懸ねんがくれどもいまだ容易に許されざる娘の胸は、たちまち或事を思ひ浮べて攻皷せめつづみの如くとどろけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
温泉宿の二階で、林の家族と一緒に、ごまめ、数の子、乾栗かちぐり、それからぜんに上る数々のもので、屠蘇とそを祝った。年越の晩には、女髪結が遅く部屋々々を廻った。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)