あはび)” の例文
あはび河豚ふぐだと思ふやうな人も少しは出來たりしたが、それをまた訛言なまりだの、方言だのと、物識り顏に、ごりがんをきめ込むこともない。
ごりがん (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
宿の内儀おかみさんは肥つた、丁寧な物の言ひやうをする人だつた。夕飯には吾儕の爲にあはびを用意して、それを酢にして、大きな皿へ入れて出した。
伊豆の旅 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)