魔障ましょう)” の例文
数十年の間山中にくらせる者が、石と鹿とを見誤みあやまるべくもあらず、全く魔障ましょう仕業しわざなりけりと、この時ばかりは猟をめばやと思いたりきという。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
高徳のひじりが物狂ものぐるおしゅうなったのは、天狗の魔障ましょうではあるまいかなどと、ひたすらに恐れられた。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
試楽の日の源氏の舞い姿のあまりに美しかったことが魔障ましょう耽美心たんびしんをそそりはしなかったかと帝は御心配になって、寺々で経をお読ませになったりしたことを聞く人も
源氏物語:07 紅葉賀 (新字新仮名) / 紫式部(著)