やはりこの二州楼の桟敷さじきに川開きを見ていた時である。大川はもちろん鬼灯提灯ほおずきぢょうちんった無数の船にうずまっていた。するとその大川の上にどっと何かの雪崩なだれる音がした。
追憶 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「誰か、これで、あの鬼灯提灯ほおずきぢょうちんを、ってみないか。てた者に、五両やる」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)