髪結床かみいどこ)” の例文
旧字:髮結床
今もあの髪結床かみいどこの爺さんと話して来たんですが、髪結床だって昔とは違いましたね。それでもまだチョン髷を結いに来る客があるそうです。
「だけど何をお買いになるかあたしちっとも解らないんですもの。もしかすると髪結床かみいどこかと思ったけれども」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
髪結床かみいどこ下職したじょくなんぞするもんじゃアありませんね、せめて字でも読めりゃ何とか言って近づくんですが、一の字は引張ひっぱって、十文字は組違え、打交ぶっちがえはたかの羽だと
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「民の野郎はさっき来ましたよ。親分は留守だと云ったら、それじゃあ髪結床かみいどこへ行ってこようと出て行きましたから、又引っ返して来るでしょうよ」
半七捕物帳:18 槍突き (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
しまいに話をかえて君俳句をやりますかと来たから、こいつは大変だと思って、俳句はやりません、さようならと、そこそこに帰って来た。発句ほっく芭蕉ばしょう髪結床かみいどこの親方のやるもんだ。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)