高鍋たかなべ)” の例文
此年の最初の出来事にして月日を明にすべきものは明倫堂の釈奠さくてんである。明倫堂と云ふ学校は金沢、名古屋、小諸、高鍋たかなべ等にもあるが、長崎にも此名の学校があつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
鷹山ようざん上杉治憲うえすぎはるのり公が日向高鍋たかなべ城主、秋月家より宝暦十年の頃十歳にして、米沢上杉家へ養子となって封を襲うた関係上、九州の特色ある玩具が奥州に移ったものと見られる。
土俗玩具の話 (新字新仮名) / 淡島寒月(著)
日向の高岡たかおか郷(東諸県ひがしもろかた郡)にものしける時、籾木村なる郷士、籾木新右衛門と云へる人の物がたりに、高鍋たかなべ領の小菅岳こすげがたけといふ山に、高岡郷より猟に行通ふ者のありけるが、一日わなを張り置けるに
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それからこの間、『耽奇漫録たんきまんろく』から模したのですが、日向国ひゅうがのくに高鍋たかなべの観音の市に売るという鶉車うずらぐるまの玩具や、また筑後柳河で作る雉子車きじぐるま、この種の物は形が古雅で、無器用な処に面白味がある。