駅伝えきでん)” の例文
旧字:驛傳
が、その使いを派した安土の留守居衆からして、すでに混乱狼狽ろうばいしていたので、日頃の駅伝えきでん組織も完全な用を果していなかった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
九月に北へ立った五千の漢軍かんぐんは、十一月にはいって、疲れ傷ついて将を失った四百足らずの敗兵となって辺塞へんさい辿たどりついた。敗報はただちに駅伝えきでんをもって長安ちょうあんの都に達した。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
野々市ののいち松任まっとう笠間かさま手取川てとりがわ——と各地の、のろし山からのろし山へ、音響の駅伝えきでんとなって、轟音がうけつがれ、つかのまに、非常事ありの警報が
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
甲州街道には、まだ街道らしい並木も整っていないし、駅伝えきでんの制度も、頗る不完備であった。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)