)” の例文
笠置ろしが、頭の中をも吹きぬけて行くような心地であった。脳膜が蚊帳かやのようにすずしい。そしておそろしく眼がよく見える。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まっ暗な風が時折り、笠置のいただきからちてくる。そして、容易にうごかないそこの白刃しらはぐように吹いて、ビラ、ビラ、とりんのようにそよぎを闇の中に見せる。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)