で、風流三昧ふうりゅうざんまいの蘿月はやむをえず俳諧はいかいで世を渡るようになり、お豊はその亭主に死別れた不幸つづきに昔名を取った遊芸を幸い常磐津ときわずの師匠で生計くらしを立てるようになった。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)