風巻しまき)” の例文
硝子戸の外に庭をすかしても、灰色の風巻しまきに踊る木ノ葉の吹雪が雄叫びを挙げて狂つてゐるばかりで泉水の在所さへも指摘し難い凄じさであつた。
冬物語 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
どつとばかりに津波の勢ひで村外れの河口から吹きあげてくる速風はやては周囲の丘に行手をさへぎられて、唸りを挙げて天に沖し、壮烈な風巻しまきを巻き起すのが常であつた。
鬼の門 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)