面子めんこ)” の例文
昨日までかじかんだ恰好かっこうで着替えをもって歩いていた近所のチビが、いつの間にか一人前のねえさんになりすまし、あんなのがと思うようなしっちゃか面子めんこ
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
昔流行つた無地の面子めんこの淡紫、淡紅の色、また古渡りの器皿の青貝の螺鈿の輝き、その惹起する感情は孰れも相似てゐるが、わたくしは其齎らす情緒の成因を分析する術を知らない。
本の装釘 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
あの辺には駄菓子屋がいくらもありますから、私は餅菓子だの、飴ん棒だの、面子めんこだの、いろんな物を随分買ってやりましたよ。お蔭で貧乏しましたがね、子供のためだから苦にはなりません。
林檎 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
面子めんこうち、子らはたはぶれ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)