雄蕋おしべ)” の例文
萼片の柄の内側に一つの雄蕋おしべがあるから、つまり雄蕋は一花に三つあるわけだ。そしてその葯は白色で外方に向かって開裂し花粉を吐くのである。
カキツバタ一家言 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
雌花めばなだけでついに雄蕋おしべにめぐり合うことなくほろびて行く植物の種類の最後の一花、そんなふうにも真佐子が感ぜられるし、何か大きな力に操られながら
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
花弁の内側には白銀しろがねのように輝く針毛しんもうが生えしげり、雌蕋めしべの太さは一抱えもあって、それを取りく黄金の雄蕋おしべは海軍士官の肩章のようによじりもつれて茂っている。
物凄き人喰い花の怪 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
雄花には雄蕋おしべがあり雌花には雌蕋めしべがあって、この雌花は雄花より形が大きく、かつ花の数が少ない。
アケビ (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)