隠遁僧いんとんそう)” の例文
しかし室町頃の、世をはかなみ世を無常とのみ観じていた、隠遁僧いんとんそうのうけ取っていた解釈と、信長の気もちとには、同じ歌謡うたでも、たいへんな隔たりがある。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
衆生しゅじょう救船ぐせんともなり、人生を遍照へんじょうする月ともならなければならない。飄々ひょうひょうと、雲水にあそび、悠々と春日をたのしむ隠遁僧いんとんそうのような境界きょうがいを自分はのぞんでいるのではなかった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)