隆達節りゅうたつぶし)” の例文
もちろん湯島の家の許しを受けたうえで、もう二年ちかく稽古にかよい、そのかたわら、隆達節りゅうたつぶしや加賀節などの、小唄の類も聞いてまわっている。
そして、その陰へ、助右衛門と勘六の二人が隠れて、隆達節りゅうたつぶしを真似て吹くと、大石瀬左衛門は、真面目くさった顔をして、堺町の歌舞伎踊りを踊ってみせた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
管をまく者もある、小声で隆達節りゅうたつぶしを唄っている者もある。酒宴の興は、ほとんど尽きかけている。
忠直卿行状記 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
唱歌と申せば、あの隆達節りゅうたつぶしという小唄のはやり出しはたしかそのころでござりまして
盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
隆達節りゅうたつぶしの流れを汲み、天保末年に流行した、新隆達の小唄なのである。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
もっとも、今流行はやっている隆達節りゅうたつぶしにも。
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)