阻喪そそう)” の例文
そうした騒々しいアパートの住居者たちも、千鳥足は夏場とかわりないが、寒いので精神が阻喪そそうしているのか、すでにひっそりと寝についている気配である。
如何なる星の下に (新字新仮名) / 高見順(著)
独逸ドイツの前線にも、聯合国側ほど豊富に女性の慰問の手紙や篤志とくし看護婦がどんどん行っていたら、戦争の末期に、あんなひどい意気の阻喪そそうの仕方はしなかったろうという事も聞いて知っています。
キャラコさん:04 女の手 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
日頃意気阻喪そそうしている私にしては珍しく友人と激論をして飲みすぎた。いや飲みすぎたために激論をしたのかもしれないが、アパートに泊ったのは飲みすぎのためである。
如何なる星の下に (新字新仮名) / 高見順(著)