閼伽棚あかだな)” の例文
秋になって院は尼宮のお住居すまいの西の渡殿わたどのの前の中のへいから東の庭を草原にお作らせになった。閼伽棚あかだななどをそのほうへお作らせになったのが優美に見える。
源氏物語:38 鈴虫 (新字新仮名) / 紫式部(著)
西の端には物を置くのに便利な様に閼伽棚あかだなを造ったりして色々と住居らしい設備をして行った。自分の寝床には東の端にわらびの穂を取って来て敷いて置いた。西南の方には竹のつり棚を造った。
現代語訳 方丈記 (新字新仮名) / 鴨長明(著)
美しい侍童などがたくさん庭へ出て来て仏の閼伽棚あかだなに水を盛ったり花を供えたりしているのもよく見えた。
源氏物語:05 若紫 (新字新仮名) / 紫式部(著)
こうした浅い動機で仏の御弟子でしになられた方にも劣る自分であると残念にお思いになるのである。閼伽棚あかだなに置かれた花に夕日が照って美しいのを御覧になって
源氏物語:42 まぼろし (新字新仮名) / 紫式部(著)