閹人えんじん)” の例文
この刑を受けた者を閹人えんじんと称し、宮廷の宦官かんがんの大部分がこれであったことは言うまでもない。人もあろうに司馬遷しばせんがこの刑にったのである。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
俗伝にこの猴王十二年に一度呼ばわる、それを聞いた者は閹人えんじんとなるという。予はとかく女難に苦しむから思い切って聞かせてもらおうかしら。
そうしてその肉感的な陶酔を神への奉仕であると信じている。さらにはなはだしいのは神前にささげる閹人えんじんの踊りである。閹人たちは踊りが高潮に達した時に小刀をもって腕や腿を傷つける。
『偶像再興』序言 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
故に女装の男子容易に奸を行う(一八四六年パリ版、コンブ『埃及エジプト行記』二三頁)。これら諸国に常習の女装男子、男装女子あり。また半男女ふたなりまた閹人えんじんあり。