閨衣ねやぎ)” の例文
さきに良人の烏帽子だけはとって、冠棚かむりだなへ移したが、良人はなお、直垂のままで、閨衣ねやぎを着ず、彼女も夕化粧のときにかえた宵衣よいぎの姿だった。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今やイィシュトンの姉妹が彼のまはりに取りすがり、廣い、白の閨衣ねやぎを着た二人の未亡人は、まるで帆を張つた舟のやうに彼を目がけて押し寄せてをつたからだ。