鐵桶てつとう)” の例文
新字:鉄桶
忍び返しを打つた板塀に圍まれて鐵桶てつとうのやうな嚴重な庭に、大川の水が取入れられて、その小さい堀割に小船が一艘、ユラユラと浮んでゐるのが平次の眼につきました。
だが、萬々一金之助が下手人だとしたところで、俵屋の家は鐵桶てつとうのやうに嚴重に締つてゐた筈です。それを外から開けて入るといふことは、先づ絶對に不可能ふかのうのことです。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
平次が離屋に入ると、八五郎と猪之松は、それを鐵桶てつとうの如く締めきつてしまひます。