鋼鐵はがね)” の例文
新字:鋼鉄
晝間の明るみがまだいくらか殘つてゐて、それに月もあはい輝きを増して來た。それで私ははつきりと彼を見ることが出來た。彼の身體は、毛皮襟の鋼鐵はがね留金びじやうのついた乘馬外套にくるまつてゐた。
われはわれの肉身の裂かれ鋼鐵はがねとなる薄暮をおそる
蝶を夢む (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
鋼鐵はがねの齒をもつ胃ぶくろである
嫉妬の黒い鋼鐵はがねつるぎ
展望 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
岩をよぢのぼれるの手は鋼鐵はがねなり
岩清水 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
鋼鐵はがねのやうな此の意志を
鋼鐵はがねのやうな日射の中で