鉗子かんし)” の例文
更にそれを鋳物いもののときにつかう釘抜のような鉗子かんしの先へ固定し、大原の咽喉笛をはさみ切って殺そうと計画したのである。
謎の咬傷 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
その外、砂糖を挾む小さい鉗子かんしが一つ、茶を飲む時に使ふ匙が二三本、果物の砂糖漬を入れた硝子ガラス壺が一つ置いてある。寝台の上には明るい色の巾が掛けてある。
生れるとき難産であったために鉗子かんしという鉄の道具で頭を挾んで生ましたところ、産科医の云うにはそのために片方の眼に白くかすみがかかっていて、瞳孔をも覆うているそうです。
鉗子かんしなどがぴかぴか光つて、大事さうに並べてあつた。
医師高間房一氏 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)