金口きんくち)” の例文
暁葉子にかかりきって大鹿とのロマンス、大鹿の居所などを追っかけていた木介は、ギョッとして、金口きんくち副部長をふりかえり
投手殺人事件 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
二人は珍しくも面と向って互の眼の中を視詰みつめながら話しているのであるが、そのぎごちなさを隠そうとして殊更つけつけと物を云いながら細巻の金口きんくちを輪に吹いている妻の様子を
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
そんなだつたら何もカアネギーに限つた事ぢやない。私だつたら肉饅頭どころか、ライスカレイがもう一皿あつたつて、それも皆と一緒に食べて見せる。そして食後には金口きんくちの巻煙草を
よき金口きんくち煙草たばこのむ。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)