金刀比羅ことひら)” の例文
「ほんに其方そちも初めての遠い船出じゃ程に、よう気をつけてたもれのう。わしゃこうして此頃は金刀比羅ことひらさまを神棚へかざり毎日信心しています」
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
これは浜脇にある金刀比羅ことひら神社の神体が海上を渡御とぎょしているところであった。
別府温泉 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
また南富田みなみとんだ村の金刀比羅ことひら社は、古え熊野の神ここに住みしが、海近くて波の音やかましとて本宮へ行けり。熊野三景の一とて、眺望絶佳の丘上に七町余歩の田畑山林あり。地震海嘯つなみの節大用ある地なり。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)