重傷おもで)” の例文
足利の城戸では、わが家の郎党五名が斬られ、六名は重傷おもでを負うた。——しかも、手をくだした中には、高氏の弟直義もいたとのこと。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なにさまこれは負傷したのに相違ないが、それにしても重傷おもで擦創かすりかと、傷所いたみしょへ手をってみれば、右も左もべッとりとしたのり
繰り返しても甲斐はない! ……今後は贖罪とくざいあるばかりじゃ! ……お浦、そちのその重傷おもででは、生命取り止むること覚束おぼつかないかもしれぬ。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
姉小路少将は重傷おもでに屈せず、奪った刀を杖について、吉村に介抱されながら邸へ戻って来たが、玄関に上りかけて