釈迦岳しゃかがたけ)” の例文
釈迦岳しゃかがたけの山脈と王岳おうたけ連山の山骨とが一時畳まれた深い谿たにが、通路かよいじと云えば云えもしようか、緑樹紅葉打ちまじり秋山の眺望ながめは美しかったが旅人にとっては難場である。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
一千二百二十尺の、王岳おうたけ山の頂きが、次第に水色を呈して来た。しかし山肌はまだ暗く、山全体は眼醒めざめなかった。王岳と向かい合った釈迦岳しゃかがたけは、しかし半分醒めかけていた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)