酣酔かんすい)” の例文
旧字:酣醉
膝からともすれば襦袢じゅばんがハミ出しますが、酣酔かんすいが水をブッかけられたようにめて、後から後から引っきりなしに身震みぶるいが襲います。
シカモ時トシテ児女婉柔えんじゅうノ語ヲナス。コレマタ奇ナリ。但シ酣酔かんすいスルノ日多クシテ講習足ラズ。余モマタ深クソノ為ス所ヲ惜シムトイフ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
私は眠られるだけ眠ろうとした。ある時は酣酔かんすいした人のように、一日も二日も眠り続けた。我等の肉体はある意味から言えば絶えず病みつつあるのかも知れない。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その中に彼は、自分の幸福にたいする感謝を、仕合わせでない人々にたいする憐れみを、事物の無常さから来るもの悲しい甘い感情を、生きることの酣酔かんすいを、交えていた。彼は楽しく涙を流した。