酢蟹すがに)” の例文
そう云う時には落着いた王生が、花磁盞かじさんを前にうっとりと、どこかの歌の声に聞き入っていると、陽気な趙生は酢蟹すがにを肴に、金華酒きんかしゅまんを引きながら、盛んに妓品ぎひんなぞを論じ立てるのである。
奇遇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)