鄧龍とうりゅう)” の例文
「じつはわが輩も、二龍山の宝珠寺ほうじゅじこそ、世を忍ぶにはもってこいな場所と考え、山寨さんさいの頭、鄧龍とうりゅうに会わんものと、訪ねていった」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして来るやいな、魯智深ろちしんは、いきなり背を小突かれて、階の下に膝をついた。百姓たちも揃って、鄧龍とうりゅうの姿を仰いでぬかずいた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
眼をさまして、伽藍がらんの奥から階段の上へ出てきた鄧龍とうりゅうは、虎のような口を開いて、そこらにいる手下の者へ、一ト声えた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蘇飛そひを大将として、陳就ちんじゅ鄧龍とうりゅうを先鋒として、江上に迎撃すべく、兵船をおし出し、準備おさおさ怠りない。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)