那須与一なすのよいち)” の例文
気のきいた船頭が、幕やとまで囲いをして用をたさせると、まるで、源平両陣から那須与一なすのよいちおうぎまとでも見るように、は入る人が代るたびごとにヤアヤアとはやす。
旧聞日本橋:17 牢屋の原 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
またぼう碩学せきがくがかつて那須与一なすのよいち琵琶歌びわうたを聞き、さめざめと泣き出したとき、かたわらの人がこの勇壮なる歌を聞き、何で泣かるるか、ことに与一が弓を満月のごとく引き絞り、矢を放った時
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
私は那須与一なすのよいち義経よしつねの弓の話を思い出したりした。
春寒 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)