遅疑逡巡ちぎしゅんじゅん)” の例文
もし遅疑逡巡ちぎしゅんじゅん、いたずらに日をすごし、決断の大機を失い給うようなことに至っては、禍いの襲いくること、もう遠い時期ではありませんぞ
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし表構えはただ「久兵衛」と書いてあるのみ、寿司屋ともなんとも表現していない。なに知らぬ者にはちょっと飛び込みにくい様相ようそうていし、遅疑逡巡ちぎしゅんじゅんついには素通りする者も少なくなかろう。
握り寿司の名人 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
「いまにして、荊州も取り給わず遅疑逡巡ちぎしゅんじゅん、曹操の来攻を、拱手きょうしゅしてここに見ているおつもりですか」と、ほとんど、玄徳の戦意を疑うばかりな語気で詰問なじった。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
遅疑逡巡ちぎしゅんじゅんして、いつまでも手出しも、行動もできぬとありましては、いかにも謙信の器量を怖るるかに見えて、信州諸郡の民心に反映するところも如何いかがかと思われます。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「決して遅疑逡巡ちぎしゅんじゅんしている問題ではない」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)