逶迤のたく)” の例文
今迄お利代の坐つてゐた所には、長い手紙が拡げたなりに逶迤のたくつてゐた。ちらとそれを見乍ら智恵子は室に入つて
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
夜半の滿潮に打上げられた海藻の、重く濕つた死骸が處々に散らばつて、さも力無げに逶迤のたくつて居る許り。
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
夜半の満潮に打上げられた海藻の、重く湿ツた死骸しにがらが処々に散らばツて、さも力無げに逶迤のたくつて居る許り。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
今迄お利代の坐つてゐた所には、長い手紙が擴げたなりに逶迤のたくつてゐた。ちらとそれを見乍ら智惠子は室に入つて、『マア臥床おとこまで延べて下すつて、濟まなかつたわ、小母をばさん。』
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)