“迦南”の読み方と例文
読み方割合
カナン100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は舌鼓したつづみをうって、案内者なしに妻と二人ふたり西を指して迦南カナンの地を探がす可く出かけた。牧師は玉川の近くで千歳村ちとせむらだと大束おおたばに教えてくれた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
しかして関翁の夢魂むこん常に遊ぶキトウス山の西、石狩岳十勝岳の東、北海道の真中に当る方数十里の大無人境は、其奥の奥にあるのだ。翁の迦南カナン其処そこにある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
其身其心に随うて彼山を越ゆることが出来るや否や、疑問である。或は翁は摩西モーゼの如く、はるか迦南カナンを望むことを許されて、入ることを許されずに終るかも知れぬ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)