辱知じょくち)” の例文
新聞小説を書いて、未知辱知じょくちの人々から、こんなにもおびただしい激励やら感想をうけたためしは、今日こんにちまでの私にはないほどだった。
宮本武蔵:01 序、はしがき (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おのれ始めて上田先生が辱知じょくちとなるを得たりしは千九百八年三月先生の巴里パリーに滞留せられし時なり。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「そこで、おりゃア、つい先刻さっき、顎十郎に手紙を書いて持たせてやった。……千賀春こと人手にかかってあえない最期。辱知じょくちの貴殿に、ちょっとお知らせもうします、といってな」
顎十郎捕物帳:06 三人目 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
これは史料にはならないが、晶子女史には、生前、辱知じょくちの御縁もあるので、偲び草にもと、求めておいた。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
辱知じょくちを得、従前からすでに、浅からぬ間であったことがうかがい得られる。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)