軫念しんねん)” の例文
「国家多事のとき。久しく病に伏して、ご軫念しんねんわずらわし奉りましたが、すでに身も健康に復しましたゆえ、ふたたび軍務を命ぜられたく存じます」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かしこくも、一億民草の康寧こうねいと、人類の福祉とを、深く御軫念しんねんあらせらるる天皇陛下の大御心おおみこころを体し、之にい奉るべく、八月九日以来、軍統帥部ぐんとうすいぶとも連絡し、慎重なる熟議を重ね
「左様ですかの。何せい、はやく国舅こっきゅうがおなおりくださらぬと、陛下のご軫念しんねんもひとかたではございませぬ。きのうも今朝も、ご下問がございました」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)