軍鶏とうまる)” の例文
旧字:軍鷄
見る目にもあやういまで、ともすればかどの柳の淡き影さす店頭みせさきたたずんで、とさかに頬摺ほおずりする事のあった、およそ小さな鹿ほどはあった一羽の軍鶏とうまる
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ああ、愛吉、お前のおともだちの蔵人くらんど軍鶏とうまる呼名)もね、人形町の火事ッきり、どこへ行ったか分らないんだよ。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
及び軍鶏とうまるも、その柳屋の母娘おやこも、そののち行方の知れない事とは、同時に焼けた、大屋の隠居、酒屋の亭主などは、まだ一ツ話にするが、その人々の家も、新築を知らぬ孫が出来て
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)