走馬燈まわりどうろう)” の例文
新字:走馬灯
むずかしそうな在所の両親ふたおやの顔や、十両の小判や、黄八丈の小袖や、それが走馬燈まわりどうろうのように彼女かれの頭の中をくるくるとめぐった。
黄八丈の小袖 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
政吉 俺の気持は走馬燈まわりどうろうみてえに、善だか悪だか訳がわからず、ぐるりぐるり変ってばかりいやあがる。なあ徳さん、お前のことより俺のことだ。
中山七里 二幕五場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
いろんな店の品物や、電車や、自動車や人ゴミが走馬燈まわりどうろうのようにうしろへ後へとすべった……。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
おととい此の二階で発見した人間の首、動物の頭、きのう日蔭町で見た泥鮫の皮、それが一つに繋がって彼の頭の中を走馬燈まわりどうろうのようにくるくると駈け廻っていた。
半七捕物帳:04 湯屋の二階 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)