赤兎せきと)” の例文
関羽の愛馬は世にも名高い駿足赤兎せきとである。孫権は、馬忠にそれを与え、また潘璋にはこれも関羽の遺物かたみとなった青龍の偃月刀えんげつとうを与えた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、きょうは自分が、龐徳を誘うから、父の戦いぶりを見物しておれと告げて、愛馬赤兎せきとを、悠々両軍のあいだへ進めた。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
董卓は大きくうなずいて、李粛の献策を容れることにし、秘蔵の名馬赤兎せきとと、一ふくろの金銀珠玉とを彼に託した。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ハハハハ、赤馬はよかったな。まさに後漢ごかん呂布りょふの愛馬赤兎せきとを思わす風がある。甥御さんと伺ったが」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「むかし後漢ごかん呂布りょふが愛していたという赤兎せきとにも勝りましょうな。書写山とは、馬の名もよし、安土のお厩を出たものなら鞍縁起くらえんぎも上々吉。きっとよい出世いたしましょう」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あります。私に、将軍の愛馬赤兎せきとと一ふくろの金銀珠玉をお託しください」
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)