贓品ざうひん)” の例文
その中に、やつと、私と同じ候補生の牧田と云ふ男が、贓品ざうひんを見つけました。時計も金も一つになつて、奈良島と云ふ信号兵の帽子の箱の中に、あつたのです。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
人通りが少しまばらになると、女はバタバタと店を仕舞つて、くだん贓品ざうひんやらガラクタやらを竹籠の中に投り込み、大風呂敷に包んで背負つた上、茣蓙ござを丸めて小脇に
マコウレエの談話はなしによると、英吉利のある鍛冶屋は、泥棒に頼まれて金物かなもの贓品ざうひんを火に溶かす折には、手で触つては汚れるからといつて、わざと長火箸を使つたといふ事だ。