“賭博場（カジノ）” の例文
もっとも数字は百以上ある賭博場（カジノ）の中の主な九つだけに就いて判っただけだけれど、それだけでも判ればあとの予想はつく訳よ。
ドーヴィル物語 (新字新仮名) ／ 岡本かの子(著)
妾はロダンさんと、花匂うモナコの浜に沿って、心の悲劇を象徴するような大寺院の賭博場（カジノ）に向って、馬車を走らせました。
バルザックの寝巻姿 (新字新仮名) ／ 吉行エイスケ(著)
滑稽とも悲惨ともいいようのない真面目くさったようすで斜（しゃ）にかまえ、賭博場（カジノ）の玉廻し（クルウビエ）そっくりの声色で「みなさん、張り方をねがいましょう（フェート・ウォ・ジュウ・メッシュウ）」
黒い手帳 (新字新仮名) ／ 久生十蘭(著)
それが九つの賭博場（カジノ）からの揚り高とすれば百以上からの上り高は大したものだ。しかし、彼は今、そんなことに驚いてばかり居る余裕は無い。
ドーヴィル物語 (新字新仮名) ／ 岡本かの子(著)
れいの緑色の賭博場（カジノ）の週報、全紙数字ばかり羅列したモンテ・カルロ新聞 La Revue de Monte-Carlo の最初の頁を指さし
黒い手帳 (新字新仮名) ／ 久生十蘭(著)
そしてまあ、私のやれる迄はやったのですけど第一番に賭博場（カジノ）の探偵長ボリス・ナーデルの眼についたらしいのよ。
ドーヴィル物語 (新字新仮名) ／ 岡本かの子(著)