賑合にぎわい)” の例文
日露戦争凱旋がいせん当時、此丘上おかのうえに盛大な師団招魂祭しょうこんさいがあって、芝居、相撲、割れる様な賑合にぎわいの中に
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
平作やお米がおどる彼等が夢の中にも、八幡の賑合にぎわいは夜すがら海の音の様に響いて居た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
単純な充実じゅうじつした生活をする農家が今勝誇かちほこる麦秋の賑合にぎわいの中に、気の多い美的百姓は肩身狭く、つかれた心と焦々いらいらした気分で自ら己をのろうて居る。さっぱりと身を捨てゝ真実の農にはなれず。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)