貞二郎ていじろう)” の例文
わたくしが五歳になった年の暮にわたくしの弟貞二郎ていじろうが生れた。母はそれがためわたくしの養育をしばら下谷したやの祖母に托した。祖母の往々にして初孫ういまごの愛におぼれやすきは世にしばしば見るところである。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)