“谿襞”の読み方と例文
読み方割合
たにひだ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
樫鳥かけすが何度も身近から飛び出して私をおどろかした。道は小暗い谿襞たにひだを廻って、どこまで行っても展望がひらけなかった。このままで日が暮れてしまってはと、私の心は心細さでいっぱいであった。
冬の蠅 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
自動車はやがて谿襞たにひだを廻った向こうの道へ姿をあらわした。しかしそれは自動車が走っているというより、ヘッドライトをつけた大きな闇が前へ前へ押し寄せてゆくかのように見えるのであった。
冬の蠅 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)